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■ 東北ウーマンインタビュー
生まれ育った山形を今よりもっとワクワクする街に
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■ 東北ウーマンインタビュー
生まれ育った山形を今よりもっとワクワクする街に
生まれ育った山形を
今よりもっとワクワクする街に
cafe mamenoki 店長
遠藤友紀さんインタビュー
遠藤 ) 3年前の10月28日になります。
黒川 ) カフェを開いたきっかけはなんだったんですか?
遠藤 ) 元々カフェをやりたかったんです。物件を探していて、こちらが空いているというお話を大家さん谷からご紹介いただいたんですよ。
黒川 ) そうだったんですね。
遠藤 ) 実は以前、この場所は「喫茶店 豆の木」だったんです!豆の木と言ったら地元では有名で、私の親世代も通っていたような老舗のお店だったんです。そちらのご夫婦がご高齢になられてお店を閉められた後、この場所は会社の事務所として使われていました。でもまた、その会社も抜けられて、そのタイミングで声がかかったという感じですね。その時はまだ、違う名前のカフェで考えていたんですけど、みんなもよく知っている名前ですし、私自身も思い入れのあるこの場所で「 cafe mamenoki 」としてオープンしようと思いました。

遠藤 ) 小さい時に両親と一緒に来た思い出もありますし、高校時代もパフェを食べに、友達と何度も通いました。しかも、この建物自体はその当時のままで、構造的にはロフトのようになっているんですけど、その珍しい造りや木のあたたかい雰囲気を残していけたらなと思いました。
遠藤 ) 実は米沢市出身なのですが、ずっと米沢にいたわけでもなく、仕事も最初は飲食店ではなかったんです。ずっと音楽が好きで、吹奏楽部で音楽に命をかけていた時期もあったんです。
黒川) そうなんですね!私も遠藤さんと同じように、中・高と吹奏楽に全力を注いでいました。


遠藤 ) はい。その後、飲食店での仕事を始めるのですが、初めは向こうの広島や岡山へ行って、コメダ珈琲店でカフェについて学びました。また、スターバックスでマネジメントなどについても勉強しました。その時は、いつか自分のカフェを開きたいという気持ちで頑張っていました。その経験を経て、米沢に戻ってきました。
黒川) そうなんですね . . . . . . 広島・岡山と山形ではだいぶ距離があり、相当な勇気がないとなかなか行き来できないと思うのですが、米沢 に戻ってこようと決心したのは何故だったのですか?
遠藤 ) やっぱり地元 山形が好きだからです。山形にはおいしい食材や自然など、良いものがたくさんあります。でも、それが周りにはあまりうまく伝わっていないなと思っていました。というのも、広島にいた際に、他県では山形についてあまり知られていなくて、そもそも山形がどこにあるかも分からないというようなこともありました。それが、とても もったいないなと思いまして。
黒川) 確かに、山形の魅力を知らない人はまだまだいらっしゃるなと感じます。
遠藤 ) だったら、私たちがここ米沢から発信していこうと思いました。SNSでは、枠を超えていろいろな方に見ていただけるということもあり、より多くの人に山形のよさを知って欲しいという思いからInstagramなどを始めました。載せているカフェのメニューなどにも山形の魅力が詰まっています。
黒川) そういった想いから生まれたカフェだったのですね!
遠藤 ) 最初はカフェ一本でやっていこうと思っていたんですけど、オープン早々に芸工大の山岸芽生ちゃんが手作りのハンドメイドのアクセサリーや雑貨をお店に置いてくれませんかということで声をかけてきてくださって。
黒川 ) そんなつながりがあったのですね!
遠藤 ) そうなんです。その雑貨がきっかけとなって足を運んでくれるお客さんもいらっしゃいます。中にはSNSを見て、遠いところだと名古屋など、どうしてこんなところから!?という場所から来てくださるお客さんもいらっしゃるので、そういった点でも作家さんの作る温もりある作品を大切にしています。
黒川 ) カフェでは作品や作り手さんとのつながりを大切にしてらっしゃるのですね。
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黒川 ) なるほど!
遠藤 ) わざわざ遠くから来てくださるお客さんもたくさんいらっしゃるので、ここmamenokiに行かないと食べることのできない料理や食べに行きたくなる料理というのを作りたいなと思っています。
黒川 ) 少し気になっていたのですが、クマのキャラクターのクッキーがお料理に添えられていますよね。あの子はオリジナルのキャラクターですか?
遠藤 ) 実は最初はキャラクターはいなかったのですが、米沢の養蜂家さんとのご縁がありまして。
黒川 ) 蜂蜜ですね!
遠藤 ) そうです。非加熱でとても体にいい、美容成分たっぷりの生蜂蜜なんですが、それを当店では売りにしていまして、メニューにもたくさん取り入れているんです。
黒川 ) なるほど、もしかして、、、
遠藤 ) それで蜂蜜といえばクマだなと思いまして!蜂蜜好きなクマをキャラクターにしようということで、「くまきち」というキャラクターが誕生しました。
黒川 ) そうだったんですね!
遠藤 ) はじめはパフェの上に乗せたりしていたんですけど、最近は芽衣ちゃんにハンドメイドの作り方を教えてもらいながら、雑貨にも仲間入りしています。
黒川 ) 素敵ですね!
遠藤 ) お子さんは、パフェや料理に添えてあるくまきちを見て 笑顔になってくれるので、これはやってよかったなと思いますね。
黒川 ) くまきちパワーですね。
遠藤 ) 地元の農家さんとのお付き合いですね。一生懸命 想いを込めておいしい野菜を作っている農家さんがたくさんいらっしゃるのですが、なかなか若い世代にはそれが伝わっていなかったりもするんです。
黒川) そうですよね。
遠藤 ) 若いママさんや小さいお子さんがよくいらっしゃるんですけど、農家さんは、そういう若い方々にたくさん食べて欲しいと願っています。農家さん自身は、そういった若い方々と直接つながる機会は少ないので、ぜひ mamenoki でこの野菜を使って欲しいと言ってくださいます。
黒川) 農家さんとはそうした繋がりがあるのですね。
遠藤 ) 農家さんとお客さんを繋いでいきたいと思っています。栄養たっぷりで無農薬のお野菜はこんなに体にいいものなんだということを広めていくという役目というか . . . . . . 料理を通して、たくさんの人に山形の食材の魅力を知っていただけたらなと思っています。
黒川) お料理を食べてもらうことで、食材の魅力を発信していらっしゃるんですね。
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黒川) mamenokiさんは、米沢の大学と一緒に活動されたりもしていますよね。
遠藤 ) そうなんです。実は、米沢女子短期大学さんや米沢女子栄養大学さん、山形大学工学部さんとは近い距離にあって、学生さんがカフェに遊びに来てくださるので、そこから仲良くなりました。
黒川) そうだったんですか。
遠藤 ) 私には7歳の息子がいまして、学生さんたちが勉強を教えてくれるんです。あとは、一緒にイベントをしたりといったつながりで仲良くさせていただいてるんです。
黒川) 地域の若者ともつながっていらっしゃるんですね。
遠藤) そうですね。私が米沢に戻ってきたときには、まだカフェはあまりなくて、ママさんたちが一緒にお話をしたり、子供を連れて行ったりできる場所がファミレスやラーメン屋さんだったりしました。
黒川 ) そうだったんですね。
遠藤 ) そんな時に、やっぱりママさんが子供とゆっくり過ごせるような場所があったらいいなと思いました。おいしいご飯やスイーツを食べることのできるカフェですね。 ワクワクという要素にも色々あるのですが、これはその一つです。
黒川 ) ママさんやお子さんがゆっくりできる場所っていいですね。
遠藤 ) あとは、可愛い手作りの雑貨ですね。米沢には雑貨屋さんは少なくて。 ふらっと立ち寄ったカフェで、「わあ、可愛い」と思える雑貨に出会えるというのもワクワクになっているのかなと思います。
黒川 ) 私も雑貨が大好きなので、山形にこんなお店があったらとっても嬉しいです。
遠藤 ) 雑貨屋さんとまではいかないのですが、可愛いハンドメイド作品がワクワクのコンセプトにつながっています。
黒川 ) 私も大好きです。
遠藤 ) うちはメニューが結構あるんですよ。パフェが十何種類、パンケーキ20種類くらいとか。
黒川 ) そんなに!
遠藤 ) そんなにあって選べないよ!みたいな。 でも、また次来たら、今度はこれが食べたいと思ってもらえるくらいのメニュー数になっています。
黒川 ) 何度も訪れたくなるような、楽しいワクワクメニューですね。
遠藤 ) そうですね。あとは、色々なメニューをお客さんでシェアしたりですかね。食べたことことのないような組み合わせを入れたり、メニューを頻繁に変えたりと、遊び心も大切にしています。お客さんにまた来たいと思ってもらえるように、いつ来ても楽しいカフェにしていこうと思っていますね。
遠藤 ) 一番大きく変わったのは、自分でも雑貨を作るようになったことです。これまでは芽生ちゃんや作家さんたちに委託する形がメインで、それは今も変わらないんですけど、店内で飲食されるお客さんもほとんどいない中で、自分も雑貨づくりにチャレンジするようになりました。
黒川 ) そうだったんですね。大変な状況の中、前向きにチャレンジされたのですね!
遠藤 ) テイクアウトで営業させていただいてはいたんですけど、コロナが落ち着いて、またお客さんがカフェに来てくれた時に、お店が 前よりもよくなったねとか変わったねという風に感じて喜んでいただけたら嬉しいなと思いましたね。
黒川 ) ますます雑貨を見てみたくなりました!コロナウイルスで暗いニュースが多い中、こんなふうに 「 次のcafe mamenoki 」へ向かっていて素敵です。 いつもお客さんのことを想って活動されてらっしゃるのですね。
遠藤 ) 私は昔からディズニーが大好きで、まさに夢の国ですよね。でも、その裏には支えているキャストさんがいて、そのお一人おひとりの気持ちがとても大きいなと思っていました。
黒川 ) ディズニーに憧れていたんですね。
遠藤 ) そうですね。私もそんな風にお客さんと接していけたらなと思っています。ここに来たら、普段のことを忘れてゆっくりしていって欲しいなと。だから、来てくださったお客さんとはできる限りお話をしたいと思いますね。
黒川 ) お店では、なかなか話をしたりすることはないので、店員さんから話しかけてくれたらとっても嬉しいと思います。
遠藤 ) なかなか遠いところに遊びに連れていったりはできないんですが、お店のカウンターで宿題をしたり、土日にはカフェを少し手伝ってもらったりしています!
黒川 ) お店は定休日がないんですか?
遠藤 ) 不定休ではあるのですが、基本的にはお休みはないです。今回も3ヶ月、4ヶ月お休みはしていないです。でも、それを辛いと思ったことは無くて . . . . . .
黒川 ) そうなんですね。遠藤さんは、本当に心からcafe mamenokiを愛してらっしゃるのが伝わってきます。
黒川 ) ズバリ 遠藤さんのライフの目標は何ですか?
遠藤 ) うーん、あまり大きな目標はないのですが、「やりたいと思ったことをやる」ことですかね。人なので、その時その時でやりたいと思うことは違ってくるとは思うんですけど、やりたいことが見つかったら、その時は全力でやっていきたいなと思っています。そして楽しくですね。
黒川 ) なかなか「楽しくやろう」と思っていてもできないこともあるので、それを心がけていらっしゃる遠藤さんって本当に凄いなと思います!
遠藤 ) でも、やっぱりそれって一人ではできないことで。今まで楽しいことだけじゃ無くて、いろいろ苦しいこともあったんですけど、その時に支えてくださる常連さんや学生さんたちがいて . . . . . . 本当に「人とのつながり」だなって思います。そういう方とのつながりを大切にしていきたいなと思っています。
黒川 ) つながりをとても大切にしていらっしゃるのですね。
遠藤 ) あとは、誰とやりたいかということですね。何をやるかの前に、誰とやるかですね。仲のいい友達とやることってとっても楽しいじゃないですか。それと同じで、一緒にやる人って大事にしたいなと思います。
黒川 ) そうなんですね。東北ウーマンということで、読者の方へのメッセージがあればお願いいたします。
遠藤 ) そうですね。いつかやりたいと思っていることの「いつか」というのはいつ来るか分からないので、自分の直感を大切にしてチャレンジしていって欲しいなと思います!
黒川 ) ありがとうございます。今日の取材のお話を聞いて、私自身とても勇気づけられました。山形を元気にしてくださっているのが、とても伝わってきました! 最後に、ポジティブに頑張っていらっしゃる遠藤さんの原動力を教えてください。
遠藤 ) やっぱりお客様ですかね。辛い時には、こちらが元気をもらっています。それで笑顔になれることがたくさんありますね。縁を大切にこれからも頑張りたいと思います。
黒川 ) コロナウイルスが落ち着いた頃に、カフェに行きたいと思います。直接、お会いできるのを楽しみにしています!ありがとうございました。

( 撮影 : 齋藤優有 )
〒992-0033
山形県米沢市福田町2丁目メゾンドポアソン1階
TEL : 0238-21-6155
OPEN 9:00 ~ CLOSE 21:00
定休日:不定休
cafe mamenokiの詳しい情報は
公式SNS Facebook Instagram をご覧ください。

山形県米沢市生まれ
高校卒業後、楽器のリペアについて専門学校で学び、楽器店で勤務
広島・岡山県でカフェにおける経営やマネジメントを経験。
米沢市内のカフェにて店長を務める。
その後、地元・山形県米沢市に
2017年10月にcafe mamenokiをオープン

出身地:山形県寒河江市
趣味: 旅行・楽器を弾くこと
東北の好きな所:人と人のつながり
モットー: 笑顔は心のビタミン
ひとこと: “ 東北らしさ ” をみつける
今回は初のオンライン取材ということもあり、とても緊張していたのですが、
いつの間にか遠藤さんの笑顔とお話に引き込まれていました。
mamenokiのお料理やスイーツには、多くの思いと愛情が詰まっています。
遠藤さんは、地域の方や農家さんとのつながりを大切にしながら、
たくさんチャレンジされていらっしゃる方です。
まさに山形を元気にしている方だと心から感じました。
私自身、お話を聞いてとても感動し、多くの刺激を受けました。
早く 実際にカフェに行きたいです!!
取材にご協力いただいた遠藤さん、山岸さん、本当にありがとうございました。