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■ 東北ウーマンインタビュー


1人のお客様の「満足度」を大切に。

1人のお客様の「満足度」を大切に。
大沼美容部員 伊藤早苗さんインタビュー
山形県唯一の百貨店大沼デパートで、エスティローダーの美容部員として働いている伊藤早苗さん。美容部員を意識したきっかけや、お客様への接客方法について詳しくお話を伺いました。
美容部員への道のり
菅原 ) 最初に、お仕事の流れについてお聞きしたいです。

伊藤 ) 店内のお掃除を10時前にある朝礼の前までにします。お掃除は床掃除などがメインで、開店後は製品を拭いたり前日にいらっしゃったお客様のカルテに何をタッチアップしたかやその時の会話、何が気になっていただけたかを書いたりしながら接客するという流れです。

菅原 ) 大沼で美容部員になろうと思ったきっかけはなんですか?

伊藤 ) もともと化粧品販売をしたかったのですが、山形だとメーカーの採用がなく、大沼に社員として入りエスティローダーに配属となりました。

菅原 ) なぜ美容部員に興味を持ったのですか?

伊藤 ) 高校の時に部活動をしていたのですが、男の子みたいに髪が短かったんです。スカートにも、美容関係にも全く無縁の生活を送っていました。だから逆に憧れがあったんですね。その反動で美容部員に興味を持ちました。

菅原 ) なんの部活をしていたんですか?

伊藤 ) バレーボールをしていました。髪型はベリーショートだったんです。

菅原 ) そうだったんですね。もともとメイクはしてなくて、強い憧れを持っていたということですね。

伊藤 ) そうなんです。髪の毛もいじったことなくて高校を卒業する前くらいにやっと遊び半分で始めました。(笑)
 
お客様の満足度を大切にしたい
菅原 ) 憧れが大きい分、美容部員になってからのギャップはありましたか?

伊藤 ) 美容部員になる前に専門学校に通っていたのですが、その時は美容部員ではなく、エステのほうに興味があったんです。でも、エステと比べるとメイクは見た目の変化が1回でも目に見えて分かるので、メイクのやりがいを感じエステから変更して美容部員を目指しました。大変だと思う部分は、製品も新作が出るたびにどんな製品なのか詳しく覚えなければいけないので、お客様に合わせて提案をすることです。合うものをご案内させていただかなければならないので、それに対して知識を常に新しいものに変えていくことは大変です。

菅原 ) エスティローダーだけを覚えれば良いという訳ではないですもんね。お客様から「別のブランドの製品とどう違うんですか?」と聞かれることはありますか?
伊藤 ) よくありますね。(笑) 詳しくは聞かれませんが、お客様はどこのブランドの製品を使うのか自由ですからね。皆さんもよく使っていると思いますが、口コミが載ってるアットコスメで自分のところのエスティローダーがどう評価されているかも確認をします。他のブランドも新製品で似たようなものが発売されると聞いたら、その商品も見てみたりします。お客様とのお話の幅を広げるためにも意識的に心がけています。

菅原 ) 伊藤さんが美容部員として、他の美容部員の方と違う接客の仕方や意識している事はありますか?

伊藤 ) 私はどちらかと言うと、お話してお勧めするよりも、店内の一角にある部屋でフェイシャルマッサージをしながらご案内する方が得意だと思っています。なので他のスタッフさんと比べたらマッサージは多くしてるかなと思います。

菅原 ) お客様の方からマッサージをしてもらいたいと言われるのですか?

伊藤 ) それもあります。「私(伊藤さん)がいる日に予約入れるから」と言っていただくこともあります。そうでなくても、自分からお客様にこれを使ってもらいたい、これはオススメだと思ったら「フェイシャルマッサージもメイクも全部込みで、1時間ちょっとでできるのですがいかがですか?」と伝えてご案内します。

菅原 ) マッサージをしてもらえるなんて初めて知りました。 いつも、お店に行って自分の悩みを伝えて提案してもらう感じだったので、担当してもらう人によって違いがあるんですね。

伊藤 ) 基本的にはその流れが1番多いですね。もちろんタッチアップだけでも体験はできますが、全部じっくりとお肌につけた方がお客様に「その日だけではなく1週間とか2週間ぐらいその日の肌質が続く」と言っていただけます。そう言ってくださると嬉しいので、トリートメントをご案内することが多いです。エステと言ってもお金を頂くものではないので、実際にフェイシャルマッサージをご案内してお客様がいいなと思うものをお求めいただきます。ご案内したからといって必ずお求め頂けるというわけではありませんが、お客様の満足度に繋がっていると感じるのでやって良かったなと思えます。

菅原 ) 気になってたことがあるのですが、お客様の顔って1~2回で覚えられるものですか?

伊藤 ) 「この前来て下さってた気がする…」と思って声をかけてみると、覚えられるものです。「そうなんです」ということもありますし、自分が接客しなかったお客様でも「あの席に座ってた方だな」というお客様もいらっしゃいます。

菅原 ) 「前いらっしゃいましたよね」だったり「いつもありがとうございます」と最初に言ってくださったことがあって、嬉しいなと思いますし「覚えてくれてる!」と知って感動したことがあります。(笑)

伊藤 ) 言っていただけると嬉しいですよね。美容部員になる前、専門学生の時に別のメーカーさんで頻繁に接客をしてもらったことがありましたが、私のことを覚えてもらってなかった時はちょっとショックでした。その経験があってなるべく覚えたいと思っています。

伊藤 ) 元々エスティローダーのことは知ってましたか?

菅原 ) もちろん。「ファンデーションがすごくいい」と、使っている友達から聞いてました。

伊藤 )今は10代、20代前半のお客様もすごく多いです。ですが、私が入社した時は20代前半のお客様はほとんどいなくて、口紅を買いにいらっしゃるぐらいでしたが最近は本当に多いです。

菅原 )確かに、最近周りの子たちがデパコスを買う様になったなって感じはします。

伊藤 )アイシャドウ一色でも口紅一本でも違いますよね。テンションが上がるというか。

菅原 )「インスタ映え」と最近言われているので、高い方が見た目も可愛いし買っている子も多いのかなと思います。

伊藤 )それはあるかもしれないですね、プレゼントで選びに来てくれる子も多いです。口紅に刻印できるのですが、刻印できるリップのシリーズが2つあってシンプルで大人っぽいタイプか、ゴールドの写真映えするタイプかあって「こっちの方が映えるよね~」と会話しながら選ぶ方はいらっしゃいますね。

菅原 ) YouTuberなどの発信力がある方の口コミで広がっていったって言うこともありますよね。

伊藤 )「YouTuberが紹介しててきました」って言う子は居ました。それを聞いて、YouTuber凄いなって思いましたね。(笑)
菅原 ) 他ブランドとのライバル関係というのはありますか?

伊藤 )そういうのはないですね。都内となると分からないのですが、地方は比較的少ないと思います。和気あいあいとするような感じの方が多いですね。

菅原 ) 都内の店舗に行ったことがあるんですけど、お客さんも多いし美容部員の稼働率というか、凄いなと思っていて…。

伊藤 )都内は人数が多いですもんね。近場で言えば仙台の藤崎になりますが、結構混み合うので「山形のお店だとゆっくりお話ししながらタッチアップしてもらえるから、リラックスできる」とお客様に言ってもらえることが嬉しいです。他のお店と違うところかなと感じますね。

菅原 ) こちらの店舗ならではの魅力を挙げるとしたらどんなところでしょうか?

伊藤 )お客様との距離が近いところですね。お客様1人1人の生活にあったご提案が出来るというのは、話しやすい環境が理由だと思います。

菅原 ) 美容という分野を通してお客様にどのようなことをお伝えしていきたいですか?

伊藤 )実際に使って、良さを分かっているからこそ、エスティローダーを知らない方々にちょっとでも多くの製品を知ってもらいたいなと思います。大沼だからこそ目に留まって手に取ってもらえるかなと感じるので、そういったお客様に少しでも美しくなってもらいたいなと思っています。
profile
伊藤早苗さん
 

平成2年3月生まれ
山形県出身
平成22年に百貨店大沼入社

<趣味・好きなもの>
買い物をしてリフレッシュすること

<セールスポイント>
お客様1人1人に笑顔で接客
(取材:2018年7月)
interviewer
菅原桃佳

出身地:山形県鶴岡市
趣味:人とコミュニケーションをとること
東北の好きな所:自然が日常にあるところ
モットー:後悔しない毎日を
ひとこと:美味しい物・場所を開拓する!
<編集後記>
私は昔から肌が弱く、化粧品を選ぶ際に「自分が安心できるものを使いたい」という思いから様々な美容部員の方とお話をしてきました。「接客の違いは場所によって違うのか。人柄によって違うのか」そんな疑問がふと頭に浮かび、今回山形県唯一の百貨店大沼デパートで美容部員として働く伊藤さんに取材させていただきました。お話を聞き、美容部員の方の人柄や環境、接客したお客様が影響し、その場に応じた空気が創られていくことを感じました。今度はぜひ、伊藤さんに自分に合った化粧品を選んでいただきたいです。