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■ 東北ウーマンインタビュー


「伝統×最先端」唯一無二の音楽を奏でる

「伝統×最先端」唯一無二の音楽を奏でる
シンガーソングライター 朝倉さやさんインタビュー

朝倉さやさんは山形県出身のシンガーソングライターとして18歳の時に上京。デビュー前から著名な楽曲を山形弁でカバーし話題を集めました。また民謡にラップ、ファンクといった最先端の音楽を組み合わせるという新しい音楽文化を築き、山形市のお宝広報大使を務めるなど、これまで様々な形でご活躍されています。朝倉さんの山形、東北に対する想いと共に6月29日に発売されたニューアルバム『サウルスティラノ』、デビュー5周年を迎えて行われるコンサートツアーについてお話を伺いました。

 

チャンスを掴むため高校卒業後、山形から東京へ

 

 

稲垣 ) 朝倉さんが歌手になりたいと思ったのはいつ頃ですか?

朝倉 ) 元々民謡好きな家族だったので私も小さい時からとにかく歌うことが大好きで、物心ついた時から歌手になりたいと思っていました。むしろそれ以外に強く思ったものはないぐらい。小学生、中学生前半の時は「歌手になりたいです」って言ってたんですけど、中学後半ぐらいからは「なります!」って言って生きてきました。その気持ちしかなかったからこそ東京に出てきた時もCDデビューや事務所が決まったわけじゃなかったけど、東京に行ったら何かチャンスがあるんじゃないかと思って来たので本当に中学生の頃から決心というか、それしか考えてなかったですね。

稲垣 ) 山形から東京に来て、やはり生活の変化などはありましたか?

朝倉 ) 変化しかないです。(笑)大変なこともいっぱいあったけど、それがなかったら『東京』という曲はできなかったし今まで書いた曲の中でも寂しいなっていう気持ちとか頑張り時だなっていう自分の心の中での葛藤がなかったらできなかった曲がいっぱいあるので、全て経験したことは音楽に繋がってるなと思います。

稲垣 ) 1番最初にご自身が作った曲はどのような曲だったんですか?

朝倉 ) それが『東京』なんです。上京するまで曲を作ったことがなかったんですけど、今思ってることや感じてることを整理整頓するため、残しておくために日記を書いていたんですね。その時日記を見ながら描いたのが『東京』という曲です。だからあれが初めての曲でした。

稲垣 ) これまでたくさんの作詞・作曲をされてきたと思うんですけど、詞と曲はどちらが先にできるのですか?

朝倉 ) 私は8割詞が先です。こういう曲を書こうってものを書きながら思ったり最初からテーマを決めたりいろいろなんですけど、大体6割ぐらいこんな曲にしたいなっていうのができたら、この中から1番伝えたいことは何なんだろうって考えて1番伝えたいことをサビに持ってくるんですね。サビを何割か完成させたらAメロBメロ作っていくみたいな形でやってます。

稲垣 ) 1番伝えたいことをサビに持ってくるという他に楽曲を制作する上で心がけていることはありますか?

朝倉 ) 嘘をつかないことですかね。かっこよくあろうとか飾りで煌びやかにしようという気持ちよりも、感じてることを自分の言葉で表現したいなと思っていて。言葉と言葉を組み合わせて楽しい言葉をつくる中でも、本当に思ってることしか曲にしたくないなっていうのはあるかもしれないです。

稲垣 ) 有名な楽曲を山形弁でカバーしようと思ったきっかけを教えてください。

朝倉 ) 私はCDデビューや事務所が決まって東京に出てきたわけではなかったので、まずどうやったら歌手になれるんだろうと思って模索していた時期があったんです。ギター教室に通ったりオーディションに行ったりしてたんですけど、なかなか自分でしっくりくるものがなくて。ある日ネットで“シンガーソングライターコース”っていうものを見つけて、私は上京して来る時にシンガーソングライターになりたいっていう気持ちがあったので、その教室の門を叩いたんですね。その時の音楽教室の先生が、私が今いる事務所の社長さんでありプロデューサーであるsolayaさんだったんですよ。3回目ぐらいの授業の時に『東京』という曲ができたんですけど、デビューまでの準備期間の時にいろんな曲をカバーして動画サイトにアップしていこうっていう動きがあって、1番最初に標準語でアニメソングの『タッチ』を歌ったんです。その時私は上京して間もなくて自分ではそんなに訛ってる気持ちはなかったんですけど、きっと他の人からすればもっと私は山形の人だなあって感じる喋り方をしていたんですよね。そしたらsolayaさんが「その喋ってる言葉で歌ってみたらどうなるの?」って言ったんです。そんなものは聴いたことがないし、どうなんだろうと思ったんですけど挑戦してみようと思って『タッチ』を山形弁で録り直しました。それをいろんな方が聴いてくださって、『方言革命』というアルバムを出せるくらいまで山形弁で歌った曲がたくさんの方に届いて。本当に「喋ってる言葉で歌ってみたら?」というひとことが1つの大きいきっかけだったなと思います。
 
故郷は“自分は自分でいいんだよ”と教えてくれる場所

 

 

稲垣 ) 6月29日に発売されたアルバム『サウルスティラノ』についてお聞きしたいのですが、まずなぜ『サウルスティラノ』というタイトルになったのでしょうか?

朝倉 ) 今回のアルバムは本当に今まで歌ってきたこと、やってきたことの1つの集大成みたいなとにかく気持ちの入った魂のこもったアルバムで、それらを象徴するタイトルって何なんだろうなって1.2か月本気で悩んでたんです。solayaさんに相談したら「本当に何でもいいんだよ。例えば海外でなりたい自分の名前とか。」と言ってくれたんですけど、海外でなりたい自分の名前は特にないなあと思って。(笑)でもその時にぽっと心が開いて自分の中からドーンって出てきたのが“ティラノサウルス”だったんです。「このアルバムのタイトルは“ティラノサウルス”にしよう!」となったんですけど、迷っていた1つの理由っていうのが過去に思いついたタイトルってもう誰かがそのタイトルで歌をうたってたり、アルバムをつくってたんですよ。そういうものがあっても全然良いと思うんですけど、今回はちょっと人と違うおもしろいやつにしたいなあっていう想いが自分の中にあったので、“ティラノサウルス”の文字をひっくりかえそうと思いました。(笑)

稲垣 ) アルバムに収録されている『ただいま-moubangedadorya-』と『おかえり-manzumamake-』は帰ってくる側、迎え入れる側どちらの立場にもなれる楽曲になっていてすてきだなと思いました。これはどのような経緯で作られた曲ですか?

朝倉 ) 『おかえり-manzumamake-』の方が先にできて、アンサーソングとして『ただいま-moubangedadorya-』を作りました。『おかえり-manzumamake-』は地元に帰った時に山形駅のホームで親が迎えに来てくれるのを待ってたんですけど、その時にそういえば高校終わった帰りにここに寄ったなあとか、あんなことしてたなあとかすごく懐かしい気持ちになったんです。迎えに来てくれた母が「おかえり」って言ってくれた時に涙が出てきて、自分では気づかなかったけど意外といっぱいいっぱいだったのかもなって。故郷っていうのは、“自分は自分でいいんだよ”と教えてくれる場所であって心が本当に帰れる場所だなと思います。そこで交わされる「おかえり」「ただいま」の温かさを歌にしたのが『おかえり-manzumamake-』という曲です。『ただいま-moubangedadorya-』の方はまた違ったシチュエーションで。なかなか帰るきっかけを逃しちゃう時があるんですけど、帰ることに理由なんかいらなくて、いつも故郷は変わらずに待っててくれてるんだということを何回も感じたんです。この想いを『ただいま-moubangedadorya-』という曲に込めました。manzumamakeと-moubangedadoryaっていうのはローマ字表記してるから山形の人じゃないとなんだこれってなると思うんですけど。
 

manzumamake(まんずままけ)=まずはご飯をお食べ

moubangedadorya(もうばんげだどりゃ)=もう晩ごはんだあ

稲垣 ) なりました。(笑)

朝倉 ) なりました?(笑)英語検索しましたって言ってる人もいたり、ラジオのパーソナリティーの方もどう読んだらいいんですか?って困らせてしまって。(笑)だけど本当に想いのこもった一作であります。

塩パンの部屋は優しい空間
稲垣 ) アルバムの曲目を見てあらためて思うことが、私個人的に本物の塩パンが好きなんですけど、『塩パンの部屋』という曲はどのようにできたのですか?

朝倉 ) おいしいですよね。じゃあ塩パン越しに。(笑)
 

 

朝倉 ) (机の上にある塩パンを手にとりながら)塩パンって開けると空洞になってるじゃないですか。きっとこの魅力的な空洞が塩パンのおいしさをさらに倍増させてくれてる所なんだなって感じたんです。それを絶対何かの歌詞のきっかけになるかもしれないと思って、メモっていたんですね。やっぱり生きているとイライラすることもあるし、悩んだり不安になったりする気持ちがパワーになって次に進めればいいけど、それで脳みそがいっぱいになって小さな幸せや昔だったらときめいてたこともときめかなくなってしまうのはもったいないなって。そんなことを考えていた時に、あ!塩パンの部屋だ!と思ったんですよ。ここがぶっ飛びすぎて説明が難しいんですけどごめんなさいね。(笑)あそこの塩パンの部屋はとても優しい空間で、ここを秘密基地にしてむしゃくしゃするものをしまえたらすごく幸せだなって思ったんです。

稲垣 ) 空き具合が部屋にぴったりですもんね。

 

 

 

朝倉 ) (塩パンの空洞を指差しながら)この空間が塩パンの部屋だと思ってるんですけど、ここって絶対に優しさとか柔らかい気持ちで出来てると思ってるんですよ。だから今ツアー始まってるんですけど、私がツアーで行くライブ会場が、優しい秘密基地であるこの塩パンの部屋になればいいなと思います。

稲垣 ) なるほど・・・奥が深いですね。

朝倉 ) すみませんね。(笑)こんな奴だと思われてなかったかもしれない。(笑)

 

 

音楽でワクワクとトキメキを届けたい
   朝倉さんの誕生日となる6月29日に行われたツアー初日の様子
 
稲垣 ) 塩パンの部屋になればいいなと思っている『リアルカントリーロードツアー2018』についてお伺いしたいのですが、朝倉さん自身が6月からスタートしたツアーの意気込みや見所を教えてください。

朝倉 ) そうですね。今年デビュー5周年を迎えさせてもらったんですけど、これまで出会ってきてくれた人がいたから今こうやってステージで歌えてるし、またツアーもできていると思っているので、その感謝の気持ち、そしてこれからまだまだ頑張っていくじぇっていう気持ちをしっかり歌とパフォーマンスに込めてみんなに届けたいと思います。1曲1曲今まで聴いたことのない音楽を通していっしょにワクワクときめいてもらえたら嬉しいですし、とにかくかっこよくて温かいライブになっていくと思うのでぜひ体感してもらいたいです。そこでみんなが笑顔になったり幸せだなって思ってくれたり、また明日から頑張っぺって思ってもらえるような、そんなライブにしていきたいと思います。

稲垣 ) 山形についての楽曲の多さやツアーでも山形が他の箇所に比べて多いことなど、朝倉さんの地元への大きな愛を感じました。あらためて朝倉さんにとって山形・東北はどのような存在ですか?

朝倉 ) 東京に出てきたての時も今も、何か悩んだり壁にぶつかったりした時は、故郷の家族や友だちだったり景色を思い出すんですね。そこで改めて、こうやっていつも変わらず迎えてくれる帰れる場所があるから私はどんなことだってできるし、どこにだっていけるんだなっていう風に思うんです。だから心が帰る場所である山形は、やっぱり大好きで大切な場所だなと思います。上京してすぐの時は新幹線とかバスで来たりすると、すごく遠くに来たように感じたんですよ。だけど、ことあるたびに山形を思い出したり常に山形のことを思っていたら今はもうそんなに遠くに感じてなくて。いつも山形が近くにいるような気がしてます。だから「ありがとう」の気持ちを込めて全力で歌っていきたいなと思います。
 
7月15日イオン葛西で行われたインストアイベントの様子
 
稲垣 ) 最後に、今後の活動について目標や挑戦したいことを教えてください。

朝倉 ) デビュー当時から変わらないんですけど、ワクワクすることとか、やりたいって思ったことには全力でチャレンジして面白いことをいっぱいしたいです。そしてやっぱり心を込めて曲を作って、心を込めて歌を歌って、誰かの心に届くような歌をうたえるように頑張っていきたいと思います。

稲垣 ) 今後も朝倉さんのまっすぐですてきな歌声を聴けることを楽しみにしております!本日はありがとうございました!

朝倉 ) ありがとさまでした~!
 

 

profile
朝倉さやさん

1992年6月29日生まれ山形県出身。
ひいおばあちゃんや、母が民謡が好きだった影響で小学2年生から本格的に民謡を習い始め、小学4年生から三味線も習い始める。民謡日本一に2度輝き、18歳で上京。
2013年 デビュー前からTV•CM•ラジオ•新聞等、60を超えるメディアで紹介•特集が組まれ、自身の作詞•作曲による「東京」で4月5日、デビュー。
2014年 CM出演が10本にものぼる中、音楽業界初となる山形弁カバーアルバム「方言革命」をリリース。iTunesランキング、Amazonランキング、オリコンランキングなどで1位を記録。
2015年 民謡×ラップ/ファンク/ニューエイジミュージックなど融合、民謡を斬新なコードワークやサウンドで再構築をした、新しい音楽ジャンルを発表。日本レコード大賞企画賞、CDショップ大賞東北ブロック賞、Amazonランキング1位を受賞。インディーズからのレコ大企画賞は音楽業界初、時代を変える快挙となった。
2016年 シングル「おかえり-manzumamake-」、また収録曲全曲PVを公開したフルアルバム「快進撃のミュージック」発売。
2017年 NHKみんなのうた 6月〜7月放送曲「そのままの笑顔でいて」発売。7月から開催されたコンサートツアーは大成功を収めた。(東京、山形、庄内、名古屋、浜松、静岡)
朝倉さやさん公式HP:http://www.asakurasaya.com/
(取材:2018年7月)
Album & Concert Tour

ニューアルバム『サウルスティラノ』
2018年6月29日(金)発売
価格:¥2,778+ 税
1.塩パンの部屋
2. そのままの笑顔でいて
3. おかえり-manzumamake- Piano ver.
4. 3%のぬくもり
5.イルモノイラナイモノ110号室 Studio Live Rec ver.
6.選択期
7.ねえ、ネッシー
8.ハッピーでございます!
9.茶の間に帰る
10.ただいま-moubangedadorya-
11.クリスマスマシマシ
12.未来へ贈り物
-Future Trax- Section
13.おはら節
14.白浜音頭 feat.名渡山遼
15.ソーラン節 feat.香西かおり
16.酒田甚句
17.茶摘み唄

<リアルカントリーロードツアー2018「ムーンストーンで朝倉を」>
9/23(日)山形 シェルターなんようホール
9/24(月・祝)山形 荘銀タクト鶴岡
10/13(土)秋田 Jazz Live House THE CAT WALK
11/23(金・祝)山形テルサ テルサホール
特別追加公演 & クリスマスコンサート
12/15(土)東京渋谷 能楽堂

interviewer
稲垣志穂(キラキラガッキー)

 

 

出身地:宮城県仙台市
趣味:女性アイドルを応援すること!!!!!!!
東北の好きな所:緑で溢れているところ
モットー:NO IDOL,NO LIFE
ひとこと:東北に産まれてよかった〜〜〜!!!

 


<編集後記>
 取材前に朝倉さんのインストアライブを拝見しました。聴く人の心に訴えかけるような迫力ある歌声からは、強いメッセージ性はもちろん、歌うことが大好きという熱い想いが伝わってきました。また、曲の途中に朝倉さんとファンの方々がいっしょに振付を踊っている時は更なる一体感が生まれ、会場全体が笑顔で包まれていたことが印象に残っています。
 明るい人柄とすてきな笑顔をお持ちの朝倉さんはとても親しみやすく、終始和やかな雰囲気でインタビューを進めることができました。日常に溢れている1つひとつの会話やモノを本当に大切にしている朝倉さんだからこそ、人々が共感したり心が温かくなる歌詞を生み出すことができるのだと思いました。私も当たり前の中に潜む小さな幸せを自分の手で見つけ、今後も朝倉さんの歌声を通してワクワクやトキメキを体感したいです。



■東北ウーマンについて

東北で暮らす・働く女性のライフスタイルコミュニティ「東北ウーマン」

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