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■ 東北ウーマンインタビュー


過去から未来へ受け継がれる伊達魂

過去から未来へ受け継がれる伊達魂
奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊 くの一 畑さんインタビュー

奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊唯一の女性メンバーとして活動されている畑さんは、伊達武将隊のくの一として活動する一方で「着物で女子会」という畑さん主催のイベントを開催するなど「宮城・仙台の顔」として多方面でご活躍しています。伊達武将隊の活動への熱い想いや今後目指していく姿、地元である東北への想いなど様々なお話を伺いました。

 

伊達政宗様は先々を見ているお方

 

稲垣 ) 奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊様の主な活動内容を教えてください。

畑 ) 伊達武将隊の活動内容は、仙台・宮城の観光PR。歴史や文化、伊達の心意気を日本全国そして世界中に伝えることがお役目でございます。

稲垣 ) 全国各地からいらっしゃるファンの方々は、やはり女性の方が多いのですか。

畑 ) さようでございますね。歴史が好きな方々のことを指す「歴女」の方ももちろんいらっしゃいますし、そういう枠組みに収まらない小さいお子様から上の方まで幅広い方にお会いする機会があります。その中でも熱心に応援してくださっているのは3、40代の女性が多いのかなあと感じております。

稲垣 ) これまでバスツアーなど様々なイベントを行われてきたと思うのですが、その中で特に印象に残っているイベントはありますか。

畑 ) 昨年、政宗様が生誕450年ということで「生誕祭」を仙台GIGSというライブハウスで開催させていただき、各地から武将隊の方々をお呼びして盛大にイベントを行ったんです。我らがこうして蘇って政宗様の生誕450年をお祝いできることは本当に感動致しましたし、やはり伊達政宗様という方が仙台に根付いてるんだなというのを改めて感じた次第でございます。

稲垣 ) 畑さんが伊達政宗様の1番好きな所を挙げるとしたらどんな所ですか。

畑 ) やはり先見の明をお持ちというかすごく先々を見ているお方であると感じます。400年前もそうですし今蘇ってらっしゃる政宗様も、仙台を、それこそ永遠に栄える都、人々が笑顔で暮らせる都を作るという政宗様の夢、そのために何が必要かを常に考えて動いてらっしゃる所が本当にすばらしいなと思います。

 

武将隊を100年続く文化に

 

稲垣 ) 畑さんが思う伊達武将隊の魅力はどこですか。

畑 ) 世が世なら武将様にこんなにお会いできるというか気さくにお話ができることは、まずないことだと思うんです。現代に武将隊として蘇ったことによって当時の歴史や文化をみなさんに直に伝えられるということがまず魅力だと思いますし、特に伊達武将隊は何でもやる所。あまり「これだけをやる!」とは決めずに仙台、宮城のためになるんだったらできることは何でもやってみる。挑戦することこそ伊達の流儀であり、伊達武将隊の魅力かなと思います。

稲垣 ) 今までの活動の中で1番の挑戦はどんなことですか。

畑 ) なんだろう・・・我々、『伊達武将隊年末ジャンボ感謝祭クリスマス伊武(イブ)』というイベントを12月24日に開催しているんです。このイベントはいつも応援してくださっているファンの皆様に普段とは違った姿をお見せする機会で、昨年は伊達武将隊全員が出演するヒーローショーを行ったり、お客様も一緒にご参加いただけるリサイタルや大喜利、ビンゴ大会などを開催致しました。お客様に楽しんでいただくためにこの日しか見ることのできない出し物を盛りだくさんでお届けしています。そういう時に挑戦してるかなと思っております。

稲垣 ) 楽しませることにすごく力を入れてらっしゃるように感じました。

畑 ) 歴史って難しいじゃないですか。歴史だけつらつらお話されても知識だけを言われてもたぶん楽しくないと思うんです。それを我々なりに楽しくすることによって皆様に受け取っていただければという想いがございます。

稲垣 ) 畑さんが伊達武将隊として活動していて良かったと感じる瞬間はどんな時ですか。

畑 ) 我々は県外、海外において、今まで仙台のことをよく知らなかったり行ったことがなかったお客様に仙台の魅力をお伝えするんですけれども、その後実際に足を運んでくださって「仙台いい所だね」って言ってもらえたり、何度も来てくださるお客様の姿やお声を聞くと本当に我々の蘇った意味があるなあと日々感じております。

稲垣 ) 伊達武将隊としての今後の目標や今後やりたいことを教えて下さい。

畑 ) 1番の目標と致しましては“武将隊を100年続く文化にする”という壮大な目標がございます。あと2年で活動が10年になるんですけど、まだ10分の1かと。なので先を見据えてもっともっと自分たちのできることを探し求め続けていくことが目標です。ちょうど2020年は東京オリンピック開催の年で外国の方からも日本という国が大変注目される時期ですので、海外の方に向けて伊達の文化をもっと知らしめたいなと、この何年かは思っております。我々も外国語をもっともっと学び、交流を図っていきたいなと思う所存でございます。

 

着物を通して日本人の心を吸収する

 

稲垣 ) ありがとうございます。次に畑さんが主催で行われている「着物で女子会」についてお聞きしたいのですが、「着物で女子会」をやろうと思ったきっかけを教えてください。

畑 ) 元々仙台城に着物を着ていらっしゃるファンの方が何名かいて。着物というのは日本の文化で、みなさん「着たいと思ってるんですけど着る機会がないんです」とか「着てみたい気持ちはすごくあります」っていうお話を聞いていて、じゃあ着る機会を作るのでみなさんいっしょに楽しみましょう!というのが女子会のきっかけでございます。着物を毎日着るのは大変ですし、ただしばらく着ないと着方を忘れてしまうので開催頻度を1ヶ月に1回にしました。女子会を行うたびにみなさんから好評をいただきまして、最初は着てなかった方も着てる方を見て「いいな。着てみよう。」って思ったりしてどんどん輪が広がっていったんですね。

 

着物で女子会の様子

 

畑 ) 文化って重いものですし歴史や伝統あるものなんですけど、そればかりを重んじてしまうと中々手を出しづらい部分があると思うので、こうやって重く捉えずに軽い気持ちで日本文化や日本人の心を吸収していけたらという気持ちがあります。ただ、着物がなくなってしまったら悲しいなとか日本人よりも日本の文化に詳しい外国の方もいらっしゃって、それはちょっと恥ずかしいなというか日本人負けてられないなと思う気持ちもあるので、歴史をきちんと学ぶことも重要だと思います。

稲垣 ) 女子会では様々なことをされてると思うんですけど、内容はどのように考えているのですか?

畑 ) 基本的に女子会の第一目標は“着る機会をつくる”ことなので、とにかくその日着物を着て楽しかったなあという思い出が作れればいいなと思っています。あまり細かく決めないことが逆に参加しやすいのかなと。こうじゃなきゃだめですって言ってしまうと中々入りづらくなってしまうので誰でも、いつでもいいですよと。ただ楽しくお話したり何か作ったり体験したり、言ってしまえば自分が着物をきれいにかわいく着た写真を撮れれば満足だと思ってるんですね。そういう機会を作ることが目的なので皆様からの「これやりたいです!」という提案を「じゃあやりましょう!」と実現しています。

 

 

稲垣 ) いつか私たちも参加してみたいです。

畑 ) ぜひ!大学生のみなさんも着れたら着たいって思ってらっしゃる方多いと思うんですよ。難しいものじゃないんです。まずは最低限着物と帯を用意すれば着れますから。着物は高いものだと思ってる方が多いんですけれども、今はアンティークのものもたくさん増えてて買おうと思えば500円とか1000円で買えるくらい。リサイクルショップでも売ってますし、本当に新品で誂えても2万円とか洋服と同じくらいで買えるんですよ。着物は想像しているよりも身近な存在だということも広めていきたいです。

 

東北の魅力は“素朴さ”

 

稲垣 ) 畑さんが思う東北の魅力や好きなところはどのようなところですか?

畑 ) やはり素朴さにあるかなと思っております。海外の方は東京、京都、大阪など日本で有名な観光地に行ったあとに「次は東北に行こう」という方がとても多いと思っています。以前「東北の人はあたたかい人が多く、何度でも来たくなる故郷のような場所ですね。」と言ってくれた方がいて、「ああ本当にそうだな」と思いました。上方に比べたら口は達者じゃないかもしれませんが、心のあたたかさや美味しいものが多いところなど、そういう素朴さが東北の気質なのかなと思います。それと同時に、震災があって被害を受けても「負けねど!」という東北魂というか「なにかがあっても負けないぞ」という芯のあるどっしりとした強さが魅力であると感じています。

 

伊達武将隊の活動の様子

 

稲垣 ) 畑さんにとって東北はどのような存在ですか?

畑 ) そうですね。故郷ですし「もっと知ってほしい!」と思う存在ですね。東北の人はPRベタとよく言われるのですが、それを我々伊達武将隊が先頭に立って東北をもっともっと知ってもらえるように頑張っていきたいと思っております。

稲垣 ) 最後になるのですが、畑さんが個人として今後叶えたいことや挑戦したいことはありますか?

畑 ) 私は忍者なので情報収集がお役目のひとつなのですが、まだまだ知らないことがたくさんありますし、もっと様々な場所に足を伸ばして他の地域のことを知ってからこそ分かる東北の良さも見ていかなければならないと思います。なるべく色々なところに旅に出て知見を深めたいなというのが今年の目標です。また、伊達武将隊が続くために自分が常に考えながら活動していくことも目標でございます。

稲垣 ) 今後も宮城県民として伊達武将隊様、そして畑様のご活躍に注目させていただきたいと思います!本日はありがとうございました!

 

 

profile
くの一・畑さん

伊達の隠密集団・黒脛巾組のくの一・畑。
仙台城下での“忍務”は街中の「おいしいもの」を探すことや「着物で女子会」を主催すること。それらの“忍務”のため、普段はめったに姿を現さない。会えたらラッキー♥

伊達武将隊の詳しい情報は公式HPをご覧ください。
(取材:2018年7月)
interviewer
稲垣志穂(キラキラガッキー)

出身地:宮城県仙台市
趣味:女性アイドルを応援すること!!!!!!!
東北の好きな所:緑で溢れているところ
モットー:NO IDOL,NO LIFE
ひとこと:東北に産まれてよかった〜〜〜!!!
<編集後記>
 これまで街中などで遭遇することがあった伊達武将隊の一員である、くの一・畑さんに今回インタビューさせていただくことができ、とても嬉しかったです。畑さんがお話してくださった伊達武将隊として活動する意味、現世に蘇ったご自身のお役目をしっかり全うされている姿に、私はこの「東北ウーマン」という場所を通して、大好きな宮城・東北の魅力をもっともっと広めていかなければならないと改めて考えさせられました。
 また、伊達武将隊の皆様が常にお持ちである“楽しませる心”“挑戦する心”は、さすが奥州・仙台おもてなし集団であると納得させられたと同時に、全国、世界中に伊達の文化を発信し続けて下さっていることは本当に有難く誇らしいことであると感じました。
 感謝の意も込めて、今後も伊達武将隊様のご活動を精一杯応援させていただきたいと思います。そして「着物で女子会」にも参加し、着物の文化を楽しみたいです。