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■ 東北ウーマンインタビュー


スポーツの力を通して日本中を元気にしたい

スポーツの力を通して日本中を元気にしたい
東北ゴールデンエンジェルス MARIさんインタビュー

エンジェルスでの活動についての想いや、東北への愛など、ここでしか聞けない様々なお話をお伺いしてきました。
自分の経験や力が発揮できる場所が楽天イーグルスだと思った
千葉 )東北ゴールデンエンジェルスで、どのようなお仕事をされているのか教えていただきたいです。

MARI ) エンジェルスの仕事は大きく分けて3つあります。1つは、試合でパフォーマンスをしてお客様を盛り上げる試合出演です。2つ目は子どもたちにチアを教えるチアスクールのインストラクターのお仕事で、3つ目は地域のイベントの出演や幼稚園や小学校への学校訪問をしています。

 

▲チアスクールでインストラクターをしているMARIさん

 

千葉 ) MARIさんは茨城県出身とお伺いしたのですが、茨城から東北にあるエンジェルスのお仕事を志したきっかけはなんですか?

MARI ) 高校時代に甲子園の応援に憧れてチアを始め、そこからチア一色の人生を歩んでいます。ずっとチアを続けている中で、「プロ野球のチアリーダーになりたい!」という夢を抱くようになりました。甲子園の応援は「ザ・青春!」という感じで、「野球応援ってすごく楽しい!」と思い、大学に進学してもずっとチアを続けていました。 大学時代は高校とは違い、野球だけではなくアメリカンフットボールやアイスホッケー、駅伝などの応援も行っていました。

千葉 )駅伝にもチアの応援があるんですか?!

MARI )そうなんです。箱根駅伝などの大きな大会で応援をしていました。 応援するチアと、自分たちが技を競い合う「競技チア」の2つを経験したんですけど、応援するチアに大きな魅力を感じ、学生時代を過ごしました。

千葉 ) 社会人になってからもチアは続けたのですか?

MARI )社会人になってからは1度アメリカンフットボールのチアに所属していました。アメリカンフットボールのチアをしている中で、東日本大震災の復興支援の一環で宮城県に来る機会がありました。 そのときの東北の現状を目の当たりにして「もっともっと出来ることってたくさんあるんだな」と思ったことと、他県からきた私たちチアリーダーをすごく温かく迎え入れてくれた東北は素晴らしい場所だなと思ったこと、そして復興支援をしたいと強く思ったことがきっかけです。 私は子どもが好きで関東ではチアスクールに勤めていました。自分の経験を発揮し、力になれるチームがエンジェルスだと思い受験を決意しました。

千葉 )エンジェルスはオーディションで選ばれるのですか?

MARI )そうです。毎年12月にオーディションがあります。 受けるときは自信もないし、初めて東北に住むことになるので、不安しかありませんでした。でも、「挑戦しないと何も変わらないな」と思い受験することを決意し、合格して今に至ります。
 

 

東北へ来て本当に良かった

 

千葉 )エンジェルスのお仕事をやっている中でのやりがいを教えていただきたいです。

MARI )パフォーマンスを見ている人が笑顔になってくれたり、試合中などに声を掛けたお客さまが笑顔で話してくれたり、たくさんのお客さまと色々なコミュニケーションを取ることで私自身もパワーをもらい、やりがいにも繋がっています。 お客さまからいただく1つ1つの言葉が、私にとっては大切な宝物で本当に感謝しています。自分にしか分からない努力って誰にでもたくさんあると思うんですけど、沢山のお客さまが見てくださっているので、気付いてもらえることも本当に多くて、大変なことも頑張ってきて良かったなと思うことがあります。

千葉 )チアリーダーの仕事は、お客さまとの距離が近いところも特徴なのですね。

MARI )楽天イーグルスやチアをあまり知らない人にも私たちの活動を通して興味を持ってもらえたり、「試合に行くね!」などと言ってもらえることがすごく嬉しいです。 小さな子からはパフォーマンスを見て、「お姉さんのようにジャンプしたい!」などと言ってもらえることもあり、憧れの存在になれるように、日々成長し続けようと私自身奮い立たされます。そしてスクールでは指導している子ども達の成長を直に感じられる瞬間はとても多いです。 この仕事をしなければ出会わなかった人や、貴重な経験というものがとても多いので、一歩踏み出して東北へ来て本当に良かったなと思います。

千葉 )ありがとうございます。逆に、チアをやっていて大変だと思うことはありますか?

MARI )私の場合は地元の茨城から離れて住んでいるので、チームメイトがいてもやっぱり家族や友人が遠くに住んでいるので、そういったところで寂しさなどを感じることも多少あります。でもそういったときに関東から駆けつけてくれたり、私も時間があるときは帰ったりしたときにみんなが励ましてくれたり声をかけてくれて、「今やっている仕事は本当に貴重なことなんだな」と改めて思うことがあります。 でも、あんまり大変と思わないようにしています。チアで自分の苦手なことがあったとしても、「大変、落ち込む!」と思うと負の方向へ行ってしまうので、「ピンチこそチャンス」という言葉があると思うんですけど、「ここを乗り越えればさらに違う景色が待っている」と思ってやっています。 仕事の面では、「大変なときこそ自分が成長できるチャンス」だと思ってプラスに捉えていますね。

▲エンジェルスのレッスンの様子

 

お客さまから元気をもらうことがとても多い

千葉 )チアは「パフォーマンスで人を元気にする」というイメージがあるのですが、MARIさん自身が落ち込んでいるときはどのように解消されているのですか?

MARI )小学生でも、「学校に行きたくない」ということもあると思うんですね。でも、頑張って学校に行ったら色々な発見があったり、友だちから声を掛けられて元気になったという経験があると思います。私自身もそうで、上手くいかないことや辛いこともあって落ち込むことも多いんですけど、仲間や身近な人に打ち明けて色んなアドバイスをもらったりしています。落ち込んでいるまま本番ということもあるんですけど、チアスピリットの「元気・勇気・笑顔」の3つを心に決めて出ると、見ているお客さまも笑顔になっていて、お客さまから元気をもらうことがとても多いです。

千葉 )私もこの間試合を観に行って、チアのみなさんが輝いていてすごく元気をもらいました!

MARI )嬉しいです。

千葉 )パフォーマンスをする際に特に「こうしよう」と心掛けていることなどがあれば教えてください。

MARI )私はとにかくたくさん声を出して盛り上げることを心掛けています。 やっぱり、声を出すことでただ笑顔で踊っているよりも迫力が出るし、自分の気持ちもより一層伝わると感じています。これは、アメリカンフットボールのチアをしていたときに学びました。

千葉 )そうなんですか?!

MARI )そうなんです。アメリカンフットボールでは、サイドラインという応援する場所があって、試合中そこでずっと声を出してダンスをし応援します。エンジェルスのパフォーマンスでは、試合中はイニング間という回と回の間に手拍子で盛り上げをしたり、ステージはダンスがメインなんですけど、そこに声を乗せることでパフォーマンスの迫力もアップするし、私たち自身も声を出すことで盛り上がったり、表情がより一層明るくなるので、とにかく声を出すことを意識しています。

 

 
 

 

第二の故郷、東北を大切にしたい

千葉 )初めて東北に住んだということですが、仙台に住んでいて「いいな」と思うところはどんなところですか?

MARI )仙台はとても都会なので、ピカピカした街並みで、綺麗な所だと純粋に思います。そして、人がとても温かいと思います。仙台に来る前は神奈川や東京に住んでいたこともあったんですけど、大都会なのでみんな颯爽と歩いていたり、満員電車でも押し潰されながら乗っていました。東北だと電車が混んでたりしても人の譲り合いだったり、隣になったおばあちゃんが気軽に話しかけてくれたりします。仙台は都会な街なんですけど人の温かみがあって「いい地域だな」と思います。

千葉 )ありがとうございます。都会なのに温かみがあるってとてもすごいことだとMARIさんのお話を聞いて思いました。

千葉 )チアをしていて思う、東北の良さや東北への想いを教えていただきたいです。

MARI )楽天イーグルスの活動の中で東北各地に行き、その土地土地の方と触れ合うことができ、とても貴重な体験をさせてもらってるなと思います。 茨城県出身の私が、この仕事をしていなければ東北を訪れる機会もなかなかなかったので、勇気を出して一歩踏み出して良かったなと思うことはたくさんあります。 東北各地に行く中で、東北の方々の人の温かさをとても感じます。飲食店や病院などで気軽に話しかけてくれたり、スタジアムに松葉杖で来るお客さまがいたら、周りの方みなさんが手助けをしていたり。私にとっての第二の故郷東北を、今後離れた場所に住むことになっても、ずっと大切にしたいですし、何かしらの方法で貢献し続けたいなと思っています。 他にも、地方それぞれの美味しい特産物があったり、綺麗な景色があったり。魅力はたくさんあるので、多くの人に東北に来てそれを知ってほしいなと思います。

千葉 )MARIさんは東北の食べ物でなにが好きなんですか?

MARI )色んな好きな物があるんですけど、牛タンはやっぱり美味しいですね。牛タンシチューが好きです。 あと、ずんだシェイクは友だちが仙台に来たときに絶対おすすめしていますね。 岩手の食べ物も好きで、岩手のコッペパン屋さんのパンがとても美味しくて感動しました。「白金豚」という岩手のお肉も好きです。

千葉 )これからどのようにして東北や楽天イーグルスを盛り上げていきたいですか?

MARI )東北や楽天イーグルスの魅力を知らない多くの方たちに、魅力を伝えていきたいです。そして1人でも多くの方がスタジアムや東北を訪れ、魅力を直に感じてほしいです。 楽天イーグルスは東北から愛されているチームで地域性が強く、素晴らしい球団だと思います。私自身もエンジェルスに入ってそれを強く感じました。 スタジアムには観覧車があったり、外周には東北ならではの美味しいグルメもあります。試合中は私たちエンジェルスのパフォーマンスの他に、大きなビジョンを使った演出で試合をさらに盛り上げます。 一度来たらまた来たくなるようなスタジアムである自信があるので、ぜひ多くの方に来てほしいなと思います。人がたくさん来ることが地域活性化にも繋がるので、楽天イーグルスをきっかけに東北各地の魅力にも触れていただきたいです。

千葉 )私もスタジアムに足を運んだことがあるのですが、色々なお店やイベントがあって本当に楽しいです。

MARI )スポーツには人々の心を動かしたり元気付けたり、偉大な力があると思っています。東日本大震災や先日の台風などで多くの被害があるなか、スポーツの力を通じて被災地をはじめ、日本中を元気にしていきたいです。 今まで自分が続けてきた大好きなチアで、チアの魅力や素晴らしさをもっともっと伝え、広めていきながら、様々な角度や方法で貢献し、自分自身の成長にも繋げていければと思います。

千葉 )私も東北に楽天イーグルスやエンジェルスがあること、東北の人間としてとても誇りに思います。本日はありがとうございました!これからもMARIさんのご活躍を楽しみにしています!
 

 

profile
MARIさん
 
・2017年~東北ゴールデンエンジェルス(現在)
・2020シーズンで4年目
・茨城県出身
・高校時代にチアに出会い、以来チアを続けている
 

(取材:2018年11月)

interviewer
千葉えりか
 
<編集後記>

今回の取材で、東北の良さを再認識することができました。
MARIさんは、東北のことを「ご飯がおいしい」「人が温かい」 「街並みが綺麗」とおっしゃっていました。
自分の思っている東北の良さを、茨城県出身のMARIさんも思っていてくださるということは、「本物の東北の良さ」なのではないかと考えました。
また、「東北は第二の故郷」とまで思っていただけていること、本当に誇りに思います。
私はこれから東北を離れますが、東北を大切に生きていきたいです。