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■ 東北ウーマンインタビュー


道なき道を歩み、夢を掴む

道なき道を歩み、夢を掴む
パクスプエラ / ラストアイドル 阿部菜々実さんインタビュー

山形県出身の阿部菜々実さんはアイドルとして「パクスプエラ」「ラストアイドル」2つのグループを兼任し、活動されています。これまでのアイドル活動を通しての経験やアイドルに人生を捧げてきたからこそ感じること、その先に描く未来について、地元山形に対する想いと共にお話を伺いました。

 

自分には「アイドル」しかない

 

稲垣 ) 菜々実さんがアイドルを目指すことになったきっかけを教えてください。

阿部 ) 2.3歳の頃、モーニング娘。さんがきっかけでアイドルになりたいと思いました。両親の影響でモーニング娘。さんのDVDをずっと観ていて、モーニング娘。さんになりたいって思ったんです。小さい頃からずっと歌とダンスを踊ることが好きでした。ダンスを習うために入った事務所があるんですけど、その事務所が途中からアイドルを作り始めて。私もそこのアイドルグループに加入して、気づいたらアイドルになってたという感覚です。

稲垣 ) 3歳から事務所に入られていたと知り驚きました。最初はダンスを中心に活動されていたんですか?

阿部 ) そうです。定期的にダンスを披露する機会があって、それに向けてダンスを頑張ってました。途中から歌も入ってきてみたいな感じですね。

稲垣 ) 実際にアイドルとして活動を始めた頃はどのような心境でしたか?

阿部 ) アイドルになる前からダンスグループに所属していたので急に変わったという感覚はなかったんですけど、握手会があるんですよ。私すごく人見知りで。その時は小3だったので握手会がずっと苦手だなあと思いながらやっていました。最初は事務所の先輩グループとやっていたライブも、アイドルフェスに出られるようになってからは他のアイドルさんと関わる機会ができて、その時にアイドル楽しいなと思いましたね。

稲垣 ) 最初は苦手に感じていた握手会ですが、アイドルとして経験を重ねていく中で気持ちに変化はありましたか?

阿部 ) 「楽しい」と感じるようになったのは結構最近かもしれません。ラストアイドルに入ってからはたくさんメンバーがいるので、今までアイドルをしていた子や握手会が得意なメンバーもたくさんいるんです。隣で得意な子が握手している姿を見てこういう感じですればいいんだと学んだり、握手会をする機会が増えたのでだんだん慣れていきました。今までは「はい。ありがとうございます。楽しかったです。」ぐらいしか言えなかったんですけど、ちゃんと会話ができるようになり、緊張をしなくなりました。

稲垣 ) 菜々実さんにとって、アイドルの魅力とはどのような所だと思いますか?

阿部 ) 自分にはアイドルしかないと思って生きてきて、他の何でもなく「アイドル」が好きなんですよ。歌って踊ってる女の子が見ている方を笑顔にできるって本当にすごいことだなって思うし、私もアイドルに元気や幸せをもらっているので、やっぱり楽しいと思えることが1番の続けられる魅力かなと思います。

 

「パクスプエラ」と「ラストアイドル」

 

稲垣 ) 「パクスプエラ」(以下:パクス)さんと「ラストアイドル」(以下:ラスアイ)さんでは曲の雰囲気やグループの人数など異なる点がたくさんあると思うのですが、それぞれのグループで活動する際に意識していることを教えてください。

阿部 ) パクスは途中改名やメンバーの入れ替わりもありましたが、ずっと何年も続けてきたグループなので、良い意味で気合いを入れすぎることなくリラックスできますね。パクスはラテン語で「平和」という意味なんですけど、ファンの方もメンバーもライブ中平和だなって思っていて。アイドルのライブは基本的に盛り上がる曲が多い中、パクスは静かにパフォーマンスを見てもらうことが多いんです。私もそれに慣れているので、今はライブの回数も減ってしまったんですけど、集まると安心できます。小学校の頃に出会ったメンバーの2人ともすごく仲が良いしとても楽しく活動しています。

ラスアイはメンバーが多い中、2曲連続センターをやらせていただいていて。普段プレッシャーはあまり感じないタイプなんですけど、四十何人もメンバーがいる中でのセンターは、やはりプレッシャーを感じるし大きいイベントに出ることも多いので毎日が勉強という感じですね。パクスとは違って毎日吸収しなきゃ勉強しなきゃと気を張っていることが多いんですけど、いろいろな企画を通してたくさんのことに挑戦できるのですごく成長させてもらってます。

稲垣 ) 2つのグループを兼任することは簡単にできることではないと思うのですが、2つとも頑張ろうと思えた理由は何でしょうか。

阿部 ) そうですね。ずっとパクスを何年も続けてきて、このままではいけないなっていう気持ちがあったんです。何か新しいことにも挑戦して、パクスとラスアイ両方に良い影響を与えられたらいいなって思いました。兼任してるアイドルって中々いないと思うから、自分ができることを全力でやってみようと思いました。

 

 

稲垣 ) 兼任する前と後では自分自身の中でどのような変化がありましたか?

阿部 ) 兼任する分、曲数もすごく増えたので頭の中がごちゃごちゃになることもあるんですけど、ファンの方からは「パクスの時とラスアイの時で全然違う」と言われることが多くて。自分ではそこまで切り替えてるつもりはないんですけど、勝手に切り替えられてるからそこまで大変だなと思ったことはないかもしれないです。

ラストアイドルに入った当初は7人でデビューして7人で活動していくものだと思っていたので、今考えると2年前の自分は今の私を全く想像していませんでした。変化し続けるラストアイドルはメンバーが増えたことによって団体行動や複雑なダンスもできるようになったんですけど、正直私たちの武器はバトルをすることだと思っていたので、最初はなにも成果が出なかったらどうしようという不安がありました。結果的に今は音楽番組にたくさん出演させてもらったり、個人としても精神的に鍛えられたし強くなれたと思います。

稲垣 ) 菜々実さんにとっての武器は何だと思いますか?

阿部 ) 武器は…なんだろう…アイドルの年数が長いことですかね。アイドルとしての経験は誰にも負けないくらいやってると思います。私は良くも悪くも何を言われても傷つかないし落ち込まない性格なんです。あんまり心の変動がない性格だからこそずっと安定してやれてるしここまで続けてこれてるんだなと思います。

 

叶うか叶わないかよりも夢を見続ける

 

稲垣 ) パクスプエラさんはかわいらしい曲調が多いと思うんですけど、特に好きな歌詞や振付はありますか?

阿部 ) あります!どれも好きなんですけど『小さなこの手で』という曲のサビに出てくる「一緒に風を切って走ってる毎日が続くと思っていたんだよ」という歌詞が特に好きです。お別れする歌だけどこれからも繋がってるから頑張っていこうねという歌詞で、ライブでも1番盛り上がる曲ですし曲調が本当に好きなんです。この曲の間奏ではダンスをバキバキに踊る部分があるんですよ。そこも1つの見せ場だなと思うし、1曲の中でストーリー性があるすてきな曲なのでたくさんの方に聴いてほしいです。

稲垣 ) たくさん聴きます!ラストアイドルさんの方ではありますか?

阿部 ) ラスアイの方では今1番歌っているからっていうのもあるんですけど『青春トレイン』がやっぱり好きですね。歌詞がアイドルアイドルしてないというか大人になるかならないかっていう私たちの世代の心の葛藤を歌ってる曲なんですけど、1番好きな歌詞が「死ぬまで夢を見てなきゃ生きてる意味がないじゃないか?叶うか叶わないかより目指すものがあればいいさ」という最後の落ちサビの歌詞なんですけど、本当にそうだなと思って。叶えるために頑張ってきた夢が叶ったとしても、また次の夢がどんどん生まれてきて、満足はできないんです。満足してないからこそ充実してるし生きてるって思えるから「叶うか叶わないかよりも夢を見続ける」ことが1番楽しいのかなって生きてる意味なのかなって思います。

稲垣 ) ライブ前に必ずしていることはありますか?

阿部 ) どっちのグループでも必ず円陣をします。ラストアイドルでは毎回私が円陣前にひとこと言わせてもらうんですけど、それがライブよりも緊張しちゃうんですよ(笑)みんなの気合い入れるために何を言おうかなっていうのを緊張しながら頑張って言ってます。

稲垣 ) グループの中心的な立場として大切にしていることを教えてください。

阿部 ) どんなに忙しくても感謝して楽しいと思っていれば毎日頑張ろうっていう気持ちになるし、逆に明日も早起きだって思ってたりするとパフォーマンスにも影響が出るんですよね。何事も気持ちの持ちようで変わってくるなと思うし、あの時もっとちゃんとやっていれば今こうじゃなかったのにと後悔したことも過去にあったので、ひとつひとつのお仕事に対して真面目に気を抜かず取り組んでいます。あとはメンバーひとりひとりに得意分野があるので自分だけで背負おうとせず、苦手なことは得意な人に任せて自分が任されたことを全力でやろうと思います。

 

普通の高校生活を送りたいと思ったことがない

 

稲垣 ) 普段の生活の中でのリラックス方法はありますか?

阿部 ) インドアなのでお休みの日は家で動画やテレビをずっと見てることが多いですね。4歳と7歳の妹がいるので一緒に遊んだり2人が「テレビ見たよ」と言ってくれると家族のためにも頑張ろうと思います。私普通の高校生活を送りたいと思ったことが1度もないんです。普通じゃ経験できないことをずっとやってきたし、1日休めばすぐ仕事したくなっちゃうんですよ。あんまりお休みはいらないタイプだけど、妹たちと会話することでリラックスできますね。

稲垣 ) 菜々実さんが今注目しているアイドルはいますか?

阿部 ) ライバルであり、同じイベントに出演することが多い=LOVEさんはやっぱりすごく見ちゃいますね。指原さんのプロデュース力は本当にすごいと思うしファンの方の気持ちを考えて作る曲やグッズ、ライブの構成が本当にすばらしいなと思います。やっぱりかわいいんですよみなさん。曲もソロパートが多かったり誰ひとりとして目立っていないメンバーがいないというか全員が必要なグループだなあと思ってて。うらやましさもありつつ、負けないように頑張ります。

稲垣 ) アイドルになって良かったと思うことを教えてください。

阿部 ) やっぱりステージに立ってお客さんからわーって歓声が聞こえたりすると幸せだなあと感じるし、このために頑張ってるのかなって思います。ライブが1番好きだしアイドルの魅力だと思うのでライブをやってる時にアイドルやってて良かったなあと思いますね。歌番組に出た時は他の共演者のみなさん全員知ってる方で、こんなこと昔じゃ夢にもみていなかったので生きてて良かったなと思います(笑)

稲垣 ) 今後挑戦していきたいことや力を入れていきたいことはありますか?

阿部 ) 1番は小学校の頃からの夢でもあるモデルのお仕事を頑張りたいです。今は少しずつファッションショーやランウェイに出演できているので、もっと有名になって雑誌の専属モデルにもなりたいです。ファンの方も「なった方がいいよ!」と言ってくれるので期待に応えたいなと思います。それと、以前パクスの振付をしたんですよ。そこで何かをつくる楽しさっていうのを覚えたので、アイドルだけでなく、これからもいろんなことに挑戦していきたいです。

 

山形の魅力を全国に届けたい

 

稲垣 ) 菜々実さんにとって地元、山形とはどのような存在ですか?

阿部 ) 山形はずっと育ってきた場所なので帰るとすごく落ち着くし、新幹線から山形駅に降りると空気がきれいだなって思うんです。居心地がいいし山形は優しい人が多くてみんなマイペースで穏やかな感じなので、私によく合ってるというか。あと食べものが本当においしいです。食べることが好きなので、東京のものもおいしいんですけど、山形で食べるものってなんでもおいしいんですよ。だから私がもっと有名になって山形の魅力を全国に届けられる人になりたいなと思います。

稲垣 ) 特に好きな食べ物はありますか?

阿部 ) スイカが大好きなんですけど、「尾花沢スイカ」という山形のスイカが本当においしくて大好きで毎年食べてます。

稲垣 ) 山形でのイベントやライブはやはり特別な感情がありますか?

阿部 ) 地元なので自分が知ってる親戚も見てるから自然と気合いが入っちゃいますね。ファンの方からも「山形でライブをしてる時すごく楽しそうだね。安心してる感じが伝わってくる」と言われるので特に山形だからこうしようと思ってるわけではないんですけど、自然と表れているみたいです。

稲垣 ) 個人、グループとしての今後の目標を教えてください。

阿部 ) 個人としては、昔は小さくてかわいくて許されていた部分があったんですけど、もう17歳になってしまったので、もっと大人になれるように、自立できるように頑張りたいです。

グループとしては「パクスプエラ」「ラストアイドル」共にもっと知名度をあげたいし、夢をずっと更新し続けたいです。これからもグループの中心となって引っ張っていける存在でありたいなと思います。

稲垣 ) 最後に、菜々実さんにとってアイドルとは?

阿部 ) 「私の人生のすべて」です。

稲垣 ) 今後のご活躍も楽しみにしております!本日はありがとうございました!

 

 

profile
阿部菜々実さん

生年月日:2002年5月17日
出身地:山形県
血液型:O型
身長:170cm
特技:歌うこと、手の関節が柔らかい

2014年9月にmImi(現パクスプエラ)としてデビュー。2017年10月に『ラストアイドル』(テレビ朝日系)のメンバー入れ替えバトルにおいて最終メンバーのセンターに選ばれ1stシングル「バンドワゴン」でデビュー。2019年には『Rakuten GirlsAward』で初のランウェイに挑戦。映画『がっこうぐらし!』の主演を務めるなど、多方面で活躍している。

【パクスプエラ】
3月21日(土) パクス”4周年”プエラ / ヤマハ銀座スタジオ
パクスプエラ公式HP
【ラストアイドル】
4月15日(水) 8thシングル「愛を知る」発売
ラストアイドル公式HP
(取材:2019年11月)
interviewer
稲垣志穂(キラキラガッキー)

出身地:宮城県仙台市
趣味:女性アイドルを応援すること!!!!!!!
東北の好きな所:緑で溢れているところ
モットー:NO IDOL,NO LIFE
ひとこと:東北に産まれてよかった〜〜〜!!!
<編集後記>
『アイドル』と共に人生を歩み、『アイドル』として夢を描き続けている菜々実さんの姿はどんな時も美しく逞しく、強い覚悟を感じました。
実際にパクスプエラさんとラストアイドルさんのステージを拝見する度、それぞれのグループが創り上げる魅力的な空間に目と心を奪われていた私にとって、今回こうして貴重なお話を直接伺えたこと、心より嬉しく思います。

菜々実さんのまっすぐな言葉には、これまでの経験から生まれる説得力やグループやファンの方々、家族への大きな愛が詰まっていました。
「最強のアイドル」阿部菜々実さんが切り拓いていく未来を、これからも全力で目撃させていただきたいと思います。