だらだらと |
人生の夏休みの夏は、夏らしくなかった
したことと言えば、
まだやる気のあった4月と
毎日ベッドで泣いて這いつくばって大学に通った5月と6月と
元気になったのに最後までとことん地獄に落とされた7月にお疲れさま!って感じで、ビールを買ってきてぐびぐびと飲んだこと。
ずっと見たかったアニメを夜通し見たこと。
実家でばあちゃんの作るごはんを食べてたこと。
もったいないことをした、と言われるけど「本当にな」としか思えない。
夏なんだから時間があったんだから、遠くに行けばよかった。
それでも悪い夏だったとはあまり思わなかった。
この夏仲良くなった人たちに行ったことのない場所にたくさん連れて行ってもらったし、わたしのクソみたいな話を長々とドライブで聞いてもらったりした。
そんな夏も悪くなかった気がする。
人生の夏休みの夏は、邦画みたいな夏だった(気がする)
始めて訪れた土地の知らない居酒屋さんに入ってソファ席のカウンターで飲んでみたり、全く知らない土地の大きな橋でおんぶとかしてみたり、深夜のコンビニにアイスを買いに行ってみたり、ベランダで朝を迎えてみたり、エモい映画に出てくる女の子になれた気分だった。
あっ、あと深夜にヒソヒソと塗るマニキュアとか思い切ってタトゥーシールを入れてみたりとかそんなのもドキドキ。
とは言いつつも、洋画の方が好きだったりする。字幕で見る。
人生の夏休みの夏は、いつかに言っていた「カルピスの原液」よりも濃かったかもしれない。
たくさん後悔したし、泣いた。あの時の選択を恨んだ。それでも世界で1番幸せだと感じていた。
大きな波がずっと押し寄せているように、感情がぐわんぐわんと行き来していて、ちょっとだけ疲れたけれど、夏のせいだからなんでもいいかなと思っている。
あの時みたいに特に大したことを成し遂げたわけではなかったけれど、なんなら普段と変わらないくらいに当たり前の日々だったけれど、過去最高を記録した夏だった。
そんな夏の終わりを(もはや秋だが)この文章で締めたい。